綿向山


 山行報告   
 報告者   :  濱北紀子   
 山  名  鈴鹿山系 綿向山  山行名  例会
 ルート    京田辺市ーR307−日野町ー西明寺ーヒズミ登山口ー綿向山山頂(往復)
 山行日  2011年1月22日  天候  曇り時々晴れ
 参加者  CL :  濱北 SL : 佐々木
男性 : 梅澤・佐坂・山口・北村・吉川・中島・赤松・小川・9
女性 : 岸田・染矢・河合・新居・徳田幸・長野・吉津・一般(山根・福園、10
合計 : 19名
 コースタイム    新田辺駅前(7:00)−綿向山駐車場(9:15)−ヒズミ谷登山口(9:35)−五合目小屋(10:55)−七合目行者コバ(11:15)−頂上(12:00/12:30)−七合目(13:00)−三合目(13:35)−駐車場(14:40)−新田辺駅前(17:00)
 山行報告

20101月に冬の綿向山に霧氷を見に登りました。七号目までは霧氷の気配もなかったのですが、冬期ルートのブナ林からは、それはそれは見事な氷の華の共演で大感激をしました。

それで例会にしましたが、今年は雪が多く果たして素晴らしい霧氷を見られるか心配いたしました。多くの参加を頂きマイクロバスでの山行になりました。

駐車場に到着すると多くの登山者が集っていて、アイゼンを装着していましたので、私たちも最初から完全装着で出発しました。ひずみ谷小屋から北面の植林山腹をジクザグに登り、五合目の小屋で展望が開け雪を被った湖東の広大な平野が、まるで絵画を見ているように素晴らしいものでした。冬の静かなシーンとした光景に満足し、七合目の行者堂から冬期ルートを登りました。この付近のブナ林は幾重にも小枝を伸ばし、まるで氷のオブジェのように清楚で華やかでした。時折、陽が輝き、一瞬、童話の世界に迷い込んだ気がしました。

稜線の冬道は急坂でしたが、皆さん元気に登り12時1、110mの山頂に到着、雨乞岳や鎌ケ岳から南鈴鹿山脈の青い連なりの稜線の大パノラマを眺望できました。山頂は零下5度くらいでした。寒い中で昼食をとり、そうそうに下山しました。

下山途中、SLをお願いした佐々木さんが3度も両ももの痙攣を起こし、大変痛そうでした。

慣れないアイゼンを装着してトップを歩いてもらったせいかも知れません。同行の皆さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。 
 感想文
 梅澤宗平
    

「山は逃げない」は新田次郎の小説「剣岳<点の記>」で案内人No2の鶴次郎が柴崎にかけた慰めの言葉である。剣岳は逃げないからいつでも登ろうと思えば登れる。それと同じ言葉を中島さんから聞いた。越百山山行をお断りしたときのことである。うならせる言葉である。冬山は僕が登ろうが登るのを断念しようがびくともしない。寸分も移動しない。当たり前のことではあるが。綿向山は僕の冬山登山の第一歩として考えていた重要な山行であった。

今回の装備について紹介したい。靴はシリオのもっともポピュラーな靴を採用した。靴下を2枚履かなかったせいか徐々に足先が冷たくなった。そろそろ隠している3000m級靴の出番を感じる。上はハードシェルジャケットの下にいずみやで買った薄手のダウンブルゾン、その下に冬用のシャツとヒートテックを着た。すぐ暑くなりジャケットを脱いだがそれでも暑い。最後には冬用のシャツだけになる。ダウンは完全に失敗であった。細かい温度調節ができない。ただ山頂では前述に追加してフリースを着ても寒かった。ズボンは冬用ズボンとヒートテックのズボン下。念のためにいずみやで買った氷雪用ズボンも持っていった。明神平では活躍するかもしれない。帽子は耳が隠れるもの。手袋は−16℃対応のもの。ダブルストックと10本爪アイゼン。それらは十分役に立った。ワカンもスノーシューも新雪を進まない限り必要なかった。

平安バスは新田辺を19名の山友を乗せて出発する7時5分。トイレを経由して御幸橋駐車場に到着9時丁度。下はかちかちに凍っている。いきなりアイゼンを装着する。3人分のワカンも準備されており小川さんと僕も借りることにする。山頂でラッセルの実習をやってみたいとそのときは思った。綿向山に向け登山開始9時20分。巨大な堰堤を横目に見ながらなだらかな林道を進む。ヒズミ谷出会小屋に到着9時40分。暑い。ジャケットを脱ぐ。杉林を登るとアザミ子舎に到着10時35分。ダウンもここで脱ぐ。11月10日はここでコーヒーサービス(ただし有料)があるらしい。どこか忘れたが洛南の女性3人組に抜かれる。夢咲の鐘に到着11時丁度。途中竜王山を見る。そのあと琵琶湖、比良山系を見る11時4分。7合目行者堂に到着11時22分。最後の衣服調整。少し寒くなった。薄いフリースをかぶる。ここから冬道を登る。ようやく冬山らしさを感じる。かなりの勾配(30度くらい)を登る。白坂では45度くらいの勾配も登った。沢山の登山者で踏み固められた道はまったく問題ない。アイゼンのおかげでむしろ歩きやすいくらいである。足下をよく見るとキックステップの練習をしたと思える跡がある。やってみる。いい感じである。すれ違いのために脇道に入るとズボと膝上まで沈む。フリース1枚であるが寒さを全く感じない。途中平坦な場所に到達する。前方に綿向山の姿が林の向こうに見える。もうちょっとで山頂である。しばらくまた急な勾配を登る。そのとき林の中に突然ダイヤモンドダストを発見11時57分。キラキラと霧が舞上っている。帰ってから写真を見たがそれらしきものは写っていなかった。下るときに同じポイントで三脚をたててダイヤモンドダストを撮っている登山者に出会った。あんたも見つけたんか。山頂はただただ寒かった。ケルンの陰に隠れるが寒い。雨乞山と鎌ヶ岳が見えた。昼食はいろんな方にごちそうになった。山口さんに限らず山友会の大先輩の食欲はすごい。集合写真を撮るとさっさと下山する。北村さんから送られてきた集合写真を見ると小川さんは片足ながらワカンをつけとる。下りで佐々木さんが足つりを起こされた。自分はと言えば、最後の最後にアスファルト道で滑った。右足を伸ばし、左膝は完全に屈折する感じであった。筋を痛めたかと思ったが立ち上がるとなんともなかった。滑った所をよく観察するとその箇所だけ雪が溶けている。浮き石の上に足を置いたのとおなじ理屈である。当初計画より30分早い2時半に駐車場前に到着した。

今回の山行を総括して一言、今後は「初心者ぶるのをやめよう」。
 樹氷の綿向山
 赤松隆二
 

1月22日(土)19名の参加で新田辺を出発、国道307号信楽を経由して日野町へ幸い国道には積雪はなく今日は好天気、登山口前の駐車場には積雪とアイスバーン早速アイゼンを装着しスタートする。

 3合目からは雪質も少しさらっとし積雪量も50〜60cmに順調に5合目小屋へ、ここからの眺めは西に近江盆地が眼下にひらけ琵琶湖、比良連峰の積雪も望めしばし休憩、少しずつ積雪量が増えるも登山者に踏み固められ歩きやすい、7合目の行者堂へ到着、樹氷がきれいです。ここから頂上へは冬季用の登山道へ最後の急登であるが今回積雪(1m位)であまり角度を感じない、頂上へ到達、遮るものがないので風が強い「青年の塔」の周りが掘り下げてありここで昼食、今日の展望は東の雨乞岳、鎌ケ岳は見えるが伊勢湾は望めず北側も霞んでいる。寒い、コンロでの暖、粕汁それに焼肉まで岸田さんごちそうさまでした。冬山も事故なく全員無事に下山できてよかった。

毎年の11月10日を滋賀県日野町が標高1,110mの綿向山にちなみ「綿向山の日」と定めて昨年で15年目(毎年すごい参加者です)過去4度この日に登山し登山証明書を頂いています。2006年最初に登った時に登りやすい山であった。

季節を変えて歩いてみたいと思っていたので、今回の樹氷の世界は素晴らしかった。お世話いただいたCL濱北様、SL佐々木、同行の皆様ありがとうございました。今年もよろしくお願い申し上げます。


 
綿向山山頂から雨乞岳・鎌ヶ岳を望む
 
五合目小屋
 
七合目樹間の小休止
     
 山頂の樹氷  鈴鹿山脈を望む  ブナ林の霧氷
  写真提供:佐々木さん